09.30 茂雄のいない8月


最近吸い始めたタバコ。
今回の内容とは関係ありません(^^;)。

 私は別に長嶋信者ではないし、今回のタイトルはただの思いつきで、茂雄が球界の皇帝であるとかそういうことは微塵も考えてはいません。

 しかし日本球界が激震に揺れたこの夏、長嶋茂雄が不在であったということの意味は、ちょっと考えるに値するかな、と思います。
 長嶋が元気であったなら経営者と選手&ファンのどちらの立場についたでしょうか。そもそもこの騒動の元凶である人気戦力一極集中の象徴であり権化ともいうべき御仁です。回復して一番はじめに訪れたのがナベツネのもとだったということからも、経営者に有利な発言をしてせっかく回り始めた改革の歯車を巻き戻していた可能性は高いと思います。長嶋健在であったら、彼の一言でストも実現しなかったかも。
 私自身はすでに過去の人と思っていますが、マスコミの長嶋崇拝はまだまだ根強く、その発言は是非を超越して受け取られますから、もし長嶋がナベツネ側についていたなら、ファンや選手会の活動が妨げられていたかも知れません。
 そう考えると、甚だ不謹慎ではありますが、この夏、長嶋が発言力を失っていたのは天の配剤だったのかもしれません。

 さて、その球界再編騒動ですが、ちょっと面白い方向に進みつつありますね。
 近鉄とオリックスの合併こそ、経営者たちのゴリ押しで既成事実化しつつありますが、一方で選手会の尽力によって来季からの新旧団参入が確実になってきました。ライブドアにせよ、楽天にせよ、近鉄、オリックスの合併でプロテクトから漏れた選手を中心に編成すると発表していますが、これは実際にやってみると、誰もがおかしいということに気付くはずです。だって、もともと二つのチームがあって、あるチームがその両方から好きな選手を囲い込み、余った選手によってもうひとつのチームが編成される。そして、出来上がった二つのチームが同じリーグで覇を競う……。ね、おかしいと思いませんか? 最初っから一方に有利すぎて、誰が見ても歪んでいることが一目瞭然の段取りです。
 となれば、土壇場で、オリックスはそのまま。消滅する近鉄の全選手を新規参入球団がそっくり引き継ぐのがもっとも自然であることに、あらゆる人が気付くはずです。それでもなお、オリックスがこの段取りを強行しようとするのか──、見ものだと思います。

 このところ『朝まで生テレビ』などでもこの問題は取り上げられていますが、田原総一朗の話を聞いていると、やっぱりこのおじさんたちは野球をビジネスとしてしか見ることが出来ないのだなあと悲しくなります。
 私はそもそも、パ・リーグ球団の経営不振には非常に懐疑的です。もっとうまく経営すれば、現在のような莫大な赤字を抱え込まずにすんだのではないか。そのためにはもちろん抜本的な改革が必要だったとは思うけれど、例えばドラフトの逆指名、自由競争枠、そしてFAなど、どう考えてもパ・リーグ球団にとって不利であり、コストを上げ経営を圧迫することが明白なルールをどうして受け入れたのか、理解できません。セ・リーグのチームと違って、ジャイアンツ戦の放映権料に依存しないパ・リーグだからこそ、毅然とした態度がとれたはずなのに……。
 ダイエー、日ハム、千葉ロッテといったチームが市民球団の道を目指し、それなりの成果を上げているのを見るにつけ、そういった流れに逆らい、赤字だからといって読売-西武の1リーグ路線に易々と乗った近鉄、オリックス両チームの経営者には憤りを感じます。
 プロ野球経営のコストはもっとカットできるはずなのです。アメリカでは、プロチームは地元の自治体からほとんど無償で球場を借りています。大阪ドームのように年間10億円払ってる球団なんてないらしい。プロ野球を商売ではなく、文化と捉えることが出来れば、そういった地域からの支援で維持していくことも考えられるでしょうが、『朝生』でそう主張したスポーツジャーナリストの玉木正之を、田原総一朗は甘いといってはねつけました。田原によれば、プロ野球は興業であり、企業活動なのだから、自治体が税金まで使って支援する必要はない、ということらしい。本当にそうならば、普段政治のトピックスしか取り上げない『朝まで生テレビ』が、どうして何週にも渡ってこの問題をとりあげているのでしょうか? それはこの国の多くの人にとっての一大関心事であり、すでに文化として定着しているからではないのですか? 

 プロ野球の問題点はいくつものフェイズに分散していますが、アマチュア球界との断絶もそのひとつです。プロ野球がもっとアマチュアと連携し、プロ、アマひっくるめた大きな枠で語ることが出来れば、誰も野球が文化であることに異論は挟まないでしょう。なにしろ、高校野球はあれだけの人気を誇っているのです。高校、大学といった学生野球と、プロがもっと密接に連携できれば、また、プロ野球がその地域のアマチュア野球、スポーツ振興に大きな役割を果たしていれば、誰も自治体がプロ野球を支援することに反対はしないはずです。サッカーJリーグでは成し遂げられつつあることなのに、プロ野球はなぜそれを見習おうとしないのか……。

 そして最も重要な点を指摘しましょう。1リーグ制やら交流試合やら、主に経営者側の主張の根底には、ジャイアンツ戦のテレビ放映権料についての思惑があるようですが、これが近い将来なくなるであろうことに全く気付いていない。なんたる見通しの甘さ! それで「経営者」でございとは片腹痛いです。
 今年のジャイアンツ戦の視聴率は10パーセントを割り込み、最悪のときには4パーセント台にまで落ち込みました。オリンピックがあったからとか、今年はジャイアンツの成績が振るわなかったからだとか、なにか特別なことのように捉えようとする向きもあるようですが、地上波テレビの視聴率低迷は最近のことではありません。その原因は、賢明な野球ファンが、従来の「ジャイアンツ中心主義のプロ野球」はスポーツではない、ということに気付き始めたからです。しかし蒙昧なジャイアンツ経営陣は、今年もローズ、小久保などの強引な補強で、ファンを白けさせる傾向にむしろ拍車をかけています。この調子だと、そう遠くない将来、地上波のジャイアンツ戦中継は姿を消し、ジャイアンツは特別な球団ではなく、1/12の「普通の球団」になります。そうなれば、今までのような金に飽かせた補強も出来なくなり、プロ野球を本当に面白くする戦力の均衡化が進むことでしょう。ジャイアンツが選手の年俸を釣り上げなければ、プロ野球界全体の選手年俸も平均的に下がるはず。日本テレビのゴールデンタイムからジャイアンツ戦の中継が消えたその時から、日本プロ野球の本当の再生が始まるのです。

 まず、この秋のドラフト会議から、完全ウェーバー制を導入すること。ジャイアンツと一場選手の裏金事件でも明らかになったように、自由獲得枠などという制度があるから、余分な金が必要になるのです。完全ウェーバーは戦力を均等にする意味でも、また、球団の経営コストを下げる意味でも、もっとも効果のある改革です。
 そして、新球団の東北進出を機に、すべての球団は地域密着型のフランチャイズ制を徹底すること。何度も言ってますが、東京のローカル球団としては、ヤクルトがありますから、ジャイアンツが空白地の四国に移転するべきだと思います。不人気の球団では経営が心配ですが、ジャイアンツの集客能力があれば、四国に一大ブームを巻き起こすことが出来るはず。これで人気の均等化もはかれ、一石二鳥です。
 あと、西武や千葉ロッテは、せっかく埼玉、千葉という人口密集地をフランチャイズにしながら、球場の立地が悪すぎます。西武は所沢を引き払って、さいたま市(出来れば発展目覚ましい新都心地区)へ、ロッテも千葉市内に球場を移すべきです。経営がうんちゃら言うのは、そういうインフラをきちんと整備してからです。

 ファンの立場からすれば、やるべきことははっきりしています。あとは無能で邪魔くさい旧経営者たちの妨害を排除し、いかにそれを実現するか。我々ファンはもっと発言していかなければいけないと思います。


 昨夜のGA、いかがでしたか? 私としては、後半のハジケた演出に「そーきたか!」という感じで、大変楽しみました。ミルフィーユが「ばばんがばーんと」と言っていたのは第3期OP曲タイトルへのリスペクトだったんですが、気付いていただけましたでしょうか?(^^;)
 最初にあのプロットを提出した際に、「これじゃGAが本当に終わっちゃうよ」と危惧されたスタッフの方もいらしたのですが、監督が「大丈夫」と言っていた、その意味が分かったような気がします。私自身、まだまだ書き足りないこと、やってみたいことがたくさんありますので、もしも次のシリーズがあるのであれば、是非また参加させていただきたいと思っています。ビバ! GA!!


09.29 GALAXY ANGEL



コトブキヤのミルフィーユ。買っちゃいました(汗)。
ちとせは出ないのかなぁ、愛着あるんだけど……。

 好評放送中の『ギャラクシーエンジェル』第4期、今夜、ついに最終回を迎えます。1クールなんてアッという間ですねぇ。ホントに寂しいです。

 この作品は、シリーズ構成の井上敏樹さんにお願いして参加させて頂いたのですが、そのきっかけとなった非常に印象的な再会劇がありました。
 数年前、雑誌『宇宙船』の記者として井上さんに取材をしていたときに、突然こんなことを聞かれたのです。

「お前、後輩か同級生で、滝っている?」

 後輩か同級生には滝という人はいないし、滝という姓を聞いて、そのとき私の頭の中に真っ先に浮かんだのは千葉治郎さんの顔だったので(笑)、私はきっぱり「そんな人は知りません」と答えたのですが、実はそれは大学時代の先輩だったのです(汗)。

 私が日大経済学部の2年生のときですから、かれこれ20年ぐらい前なのですが、同じ学部のサークルの先輩から、「面白いヤツがいるから」と他学部の先輩を紹介されました。日大というのは学部ごとに校舎が別々のところにあって、学部間の交流が乏しい大学なのですが、地方出身の学生は1年生の間だけ、静岡県の三島校舎で合同の授業を受けるため、その先輩には学部を越えたネットワークがあったのです。今でも忘れもしない、笹塚のご本人の下宿で紹介してもらったのが、現在シナリオライターとして活躍中の滝晃一さんでした。
 滝さんは当時8ミリフィルムでアニメーションを作っていて、アニメ、特撮マニアの先達でもあり、酒を飲みながら夜通しで映画の話を聞いたものです。
 卒業以来およそ17年間交流が途絶えていたのですが、その間にお互いシナリオライターとしてデビューしており、井上さんの仲介で再会することが出来ました。なんかちょっと運命的でしょ。

 その滝さんが、井上さんとともに書かれていたのが『ギャラクシーエンジェル』だったのです。一話完結のスラップスティックコメディであり、第1期から第3期までの100本に及ぶエピソードで、数々の名作、傑作を排出してきたこのシリーズは、私にとっては憧れの作品でありました。滝さんは第一期から参加している中心的なメンバーの一人で、人気キャラクターであるノーマッドの初登場編も滝さんの手によるエピソードです。

 その新シリーズが始まると聞いて、蛮勇を奮い参加したいと井上さんにお願いしました。『ブースカ』などでコメディは書いたことがありますが、スラップスティックともなると今までの自分の作品傾向とは違い、実際苦戦してスタッフのみなさんにご迷惑もおかけしましたが、なんとか3本のエピソードを書き上げることが出来ました。

 そのうちの1本が、今夜放送される第4期最終エピソード『オールオッケーロケ弁当』です。アニメ雑誌の監督インタビューでも述べられていますが、最初から最終回用に書いたものではなく、レギュラーエピソードの一本として提出したプロットだったのですが、内容が最終回に相応しいということで、採用して頂きました。(実をいうと、なんでもありのGAのプロットとして、擬似最終回、もしくは最終回パターンのパロディ的なテイストを狙ったものでした)
 第4期からの新参者であり、全26本中3本のエピソードしか書いていない私が最終回を書かせてもらうのは非常に僭越とは思いつつ、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。自分ではかなり気に入っていて、実は書き上げてから現在までに何度か読み返して、その度に泣きそうになったりしています(滝汗)。私自身完成したアニメは未見です。GAの場合、演出でかなり膨らませられるので、どうなっているか皆目見当がつきません(^^;)。テレビ大阪のサイトの紹介だと、シナリオには出てこない暗黒大将軍が出てるし(笑)。ファンのみなさんと一緒にワクワクしつつ、惜しみつつ、最終回の放送を楽しみたいと思います。